父の姿
それほど好きな父親ではなかった。
センスが良いとも思わなかったし、あまり話もしなかった。
しかし、ニコンF5を買ったのは、父のF2に対抗するため。
手巻きの時計に興味を持ったのは、毎日決まった時間にゼンマイを巻いている、大人の姿に憧れたから。
父の死を知ったとき、涙なんて出なかった。
泣いている余裕もなかった。
でも、葬儀が終わって泣き崩れた。人前で泣いたのは、何年ぶりだったのだろう。
亡くなって、初めて存在の大きさに気が付いた。
明日は十三回忌。
まだ、父には勝てない。
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