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2006年1月26日 (木)

SOLITAIRE

まだ、万年筆にあまり興味がなかった頃の出来事です。

時計の記事を目的で買った雑誌に、いわゆる高級筆記具が紹介されていました。しかし、当時は筆記具メーカーの名前など、ほとんど知りませんでした。

その中で、“これ良いな”と思ったのが、モンブランのソリテール・スターリングシルバーだったのです。その頃のモンブランは、現在の価格ほど高価ではなかったと思いますが、それでも、当時の私にとっては、(文具に対して、と言う意味で)とても手を出せない金額だったのです。

その後、時計に対する興味が少し薄れてきました。それと同時に、他のものにも目が向くようになったのです。

文房具は昔から好きでした。でも、いわゆる高級筆記具を買ったことはありませんでした。何となく買ってみたくなりました。

就職の御祝いとして、姉からクロスのボールペン(センチュリーのスターリングシルバー)を貰っていたので、クロスには愛着がありました。結局、タウンゼント(スターリングシルバー)のボールペンとペンシルを購入しました。

タウンゼントを購入した店は、地元では有名な万年筆店でした。それから何度か店に通ううちに、万年筆を使ってみたくなりました。その後、モンブランの万年筆を購入したのです。

だたし、実際に購入したのは、スターウォーカー、149、146、144であり、その頃はソリテールのことなど完全に忘れていました。

スターウォーカーは少し路線が違いますが、私の中で、“モンブランの万年筆は色気のない実用品”というイメージが出来てしまい、モンブランの万年筆を眺めて美しいと感じることはありませんでした。さらに、モンブラン以外でも、ペリカンのスーベレーン、パーカーのデュオフォールドなど、実用重視の地味な万年筆が増えていきました。

しかし、伯爵スターリングシルバーやオプティマ・バーガンディの購入により、変化が生じてきました。実用も大切ですが、見た目の美しさも気になるようになったのです。そして、モンテグラッパとの出会いが決定的でした。今では、眺めていて楽しくない万年筆など、買う気にならないのです。

もちろん、今でも万年筆は使うことを前提として選んでいます。まともに使えそうもない限定モデルなどには全く興味はありません。そして、今まで実用重視で選んできた万年筆も、確実に使い続けるつもりです。

つまり、実用のためだけの万年筆は、これ以上買わない。試し書きを繰り返して気に入った万年筆を探すよりも、既に所有している万年筆を徹底的に使い込んでいく。その代わり、外見で気に入った万年筆は、素直に認める。こんなことを考えているのです。

今日、ソリテールの試し書きをしました。それで昔のことを思い出しながら、いろいろと書いてみました。

ソリテールは好きです。

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